
米国の4年に1度のお祭りが世間的には番狂わせというやつで終わりました。
わたし的には、たとえメール問題が再燃しなくても、
かなりヒラリーにとって厳しい戦いになると思っていたので、
今回のこの結果について、衝撃というものはほとんど感じませんでした。
日本で報道されているネタといえば、
トランプに否定的なものが多くを占めていたので、
逆になんだか偏りすぎだなあという印象を早い段階から持っていました。
このブログでも以前、
「トランプの政策を考える」
というタイトルで肯定的にトランプについて少しふれてみました。
それが今年の3月の段階だったわけですから、
私の天の邪鬼振りはかなりのものだったと思います。苦笑。
それにしても、驚くのは、ヒラリーの不人気振りです。
これは私の想像を遙かに超えていました、藁。
結局、ヒラリーは、あまりの長い間、メインストリームを歩き続けてしまったせいなのでは、
そんなふうに思ったりしています。
彼女の唯一の挫折は、オバマに指名選挙で負けてしまったことですが、
そのとき、すでに今日の敗北の芽はめばえていたのかもしれません。
なにしろ、8年前のオバマといえば、
演説は確かにうまかったですが、
それでも、上院議員としてはまだまだヒヨッコだったはずで、
知名度も政治的キャリアでも、オバマよりヒラリーのほうが上だったはずです。
しかし、ヒラリーは負けてしまった.....。
そのヒラリーをオバマが国務長官として拾い上げたため、
彼女のダメージは、なんとか押さえ込まれていました。
ある意味、挫折は挫折として生きなかった、といえるように思います。
今回の民主党の指名選挙でも、
あのサンダースじいさんに接戦に持ち込まれるほど、
ヒラリーの不人気振りは変わらず米国民の中に残っていました。
本来、目立った対抗馬がいない今回の民主党指名選挙では、
ぶっちぎりで勝たなくてはいけなかったはずです。
そう言う意味では、当初からまったく期待されていなかったトランプが、
時間の経過とともにのし上がっていったのとはとても対照的です。
ヒラリーが途中で焦り始めているなあと思ったのは、
オバマ大統領が盛んにヒラリーの応援に登場しはじめた時からです。
現職大統領があそこまでひとりの候補に肩入れするというのは、
そうめったにあることではありません。
しかも、驚くことに、ファーストレディたるミシェル夫人まで動員したのは、
いよいよ追い込まれたなあという印象を私に与えました。
大統領選挙において、芸能人を大量に投入するというのは、
まあ、米国ではよく行われるパターンではあり、
ヒラリーの場合も最後の最後まで投入し続けましたが、
トランプはほとんどそういう戦術を取りませんでした。
まあ、トランプにはそういうお友達が皆無だったせいなのかもしれませんが、苦笑、
それでも、向こうの派手な戦術を意に介さず、
暴言連発とはいえ、自分の言葉で、しかもわかりやすい言葉で、
そして、小泉純一郎的な、w、ワンフレーズの繰り返しで、
ふつうのおっさんやおばさんに語りかけていたのとは、ヒラリーと比べて好対照でした。
メキシコとの国境に壁を作るとか、駐留米軍の撤退とか、
そもそもこういうことは、米国のふつうのおっさんやおばさんが疑問に感じていたことなので、
政治の素人たるトランプが吠え出すと、
ついトランプに対して親近感を感じてしまうのかもしれません。
ヒラリーは、本当に米国のトップを目指すのであれば、
どこかで100%とは言えないまでも、50%くらいはイメチェンを図らなければいけなかったのだと思います。
残念ながら、最後まで有能な米国でナンバーワンの女性政治家という姿を、
米国民に提示し続けてしまったわけです。
こういう姿を長い時間さらし続けるということは、
負の作用が高まってくるということを考えるべきだったのではと思います。
結果的に上から目線の暖かみのない高慢な職業政治家というイメージを、
しっかり米国民に植え付けてしまったとしたら.....。
まあ、そうではなくても、ヒラリーには、政治的にグレーな部分がかなりありました。
クリントン財団などは、マジで突っついたら何が出てくるかわからない、苦笑。
その点、トランプは政治的に素人ですから、
政治的なグレーなんてどこを探してもないわけで、
せいぜいあるとしたら、女性に触ったとかなんだくらいの話ですから、
単なる与太話程度ですんでしまうのでしょう。
今回のヒラリーの敗北で、米国における女性大統領の誕生という未来は、
かなり遠のいてしまったように思います。
米国というお国柄は、女性のトップというものを、
まだまだ受け入れる土壌が出来ていないのかもしれませんね。