
あのよくわからない野田内閣が勝手にすっころんで、
ころんと安倍内閣に代わってからもう3年経ちます。
安倍内閣といえば、野田さんと消費税アップのお約束をして誕生したわけですが、
この3年間の安倍さんの経済政策についてちょっと総括してみたいと思います。
安倍さんというととりあえず、アベノミクスということなんですが、
そもそも、アベノミクスが何であったのか、どれくらいの人が覚えているか....
そのあたりもとても気になりますよね。
というわけで、官邸のHPをのぞいてみました。

❶大胆な金融政策
❷機動的な財政政策
❸民間投資を喚起する成長戦略
いわゆる3本の矢というやつです。
大前提として、安倍さんは消費税増税を念頭に置いた上で、
わかりやすく3つのテーマに絞って経済を活性化させようとしたわけです。
❶の大胆な金融政策というのは、言わずと知れた黒田日銀総裁による大規模なマネーサプライ、
すなわち、日銀がたくさんお金を刷って市場にお金をあふれさせるという政策です。
おかげさまで株価は外国人投資家のお手伝いもあって、
安倍内閣発足1年で6000円も日経平均を上げました。

このグラフでもわかるように、
野田政権の後半あたりから株価が右肩上がりになり始めています。
民主党びいきの人は、この当時、やっと民主党の経済政策が功を奏し始めたというかもしれませんが、
うがった目で見ると、野田政権が持ちそうも無いのでそれに好感して株が上がった、
ということを考える人もいるかもしれません、w。
株式市場というのは、基本的に株が上がろうが下がろうがそんなことはどうでもいいわけで、
取引が頻繁に大量に行われるのがベストなわけですから、
いずれにせよ、12年の7月以降の市場は好転し出したわけです。
と同時に、株取引が活発になれば、税収ももちろん増えます。
その点だけを見れば、黒田総裁と安倍さんの異次元的金融緩和はうまくいったということになるのでしょう。
ただ、株というのは持っている人、関わっている人は上がればもうかりますけど、
持ってない人はまるで関係ない、というのがその姿です。
かつて、日本は総中流社会などといわれて、そのへんのおじちゃんはおろか、
おばちゃん達まで株を買うべく右往左往していたわけですが、
2000年以降は、そんな人達は大損こいて株式市場から撤退してしまいました。
残ったのは、お金が余っているみなさんと、機関投資家と、
そして、世界中を見渡して投資先を鵜の目鷹の目で探している外国人投資家達です。
こういう状況ですから、せっかく株価が上昇しても、
ふつうの国民のみなさんにはとんとあずかり知らない話でしかなかったわけです。
異次元的緩和でもうひとつ起きたことがあります。
それは円安がこれまた一本調子で進行しだしたのです。
安倍内閣発足当時は1ドル90円くらいでした。
以後、100円にまで到達するのはあっという間でしたが、
その後、消費税8%アップがあったりして停滞してしまいました。
再び、円安が進行し始めたのは、黒田日銀が2度目の異次元金融緩和を実施したからです。
ところが、このあたりから財界の一部から、円安が行き過ぎているという意見が現れ始めました。
ある財界人は、原料を加工して輸出する日本にとって、
行き過ぎた円安は、原材料の価格の上昇で、輸出価格を押さえることが出来なくなる、というものでした。
政府の一部からも明らかに輸出に対する影響が出始めていたので、
1ドル120円では.....という意見が出始めるに至りました。

さて、安倍さんと黒田さんの大胆な金融政策で、
賃金のほうは、株価と一緒に上昇したかというと、
上の表で見る限りでは、民主党時代と五十歩百歩です。

実質賃金についてのグラフもあるんですけど、
こちらに至っては安倍内閣になってからほぼ右肩下がり、苦笑。
なぜ下がっているかというと、社会保障費や税金の増加と、
円安による緩やかなインフレがあげられると思います。
安倍内閣は、この今年の7月の実質賃金が上がったと胸を張っていましたが、
そもそも、前年比で物を言われてもねえ、というのが率直な印象です、ねっ、甘利大臣、w。
なぜ、大胆な金融政策がこのような結果になってしまったのか。
これは素人でもわかることなんです。
お金の流通量を増やすということと、
増税をするということを一緒にやってしまった結果なんだと思います。
しかも安倍内閣は、増税だけで無く緊縮財政へと舵を切ってしまったのです。

なんと税収が右肩上がりに伸びている中、
せっかく使えるお金が増えたのに、公共事業費も社会保障費も増やすどころか減らしてしまうという、
愚挙に出てしまったわけです。
結論を言うと、政府はどこへ向かおうとしているのか、何がしたいのか、
これらのグラフを見る限りまったく見えないと言わざるをえません。
こんなこというのもなんですが、まだ民主党時代のほうが経済政策ははっきりしていました。
いいか悪いかは別にして、民主党のやり方は、緊縮型財政再建でしたから。
とうわけで、アベノミクスの第一の矢だけでこれだけの話になってしまいました。
第二第三の矢についてはまた次回述べたいと思います。