
台北共同】
台湾総統府は3日夜、馬英九総統が7日にシンガポールを訪れ、中国の習近平国家主席と会談すると発表した。中台首脳会談は1949年の分断後初。
来年1月の総統選で台湾独立志向の野党、民主進歩党(民進党)への8年ぶりの政権交代の可能性が高まる中、首脳会談で「一つの中国」を中台交流の基礎として確認し、これを認めない民進党をけん制するとみられる。
中国メディアによると、中国国務院(政府)台湾事務弁公室の報道官は「(中台)指導者の面会について中国の態度は積極的、開放的であり、一貫している。情報があればすぐに発表する」とコメントした。
正直言いまして、とても驚いています。
まさか馬英九が習近平と直接会おうとはねえ。
外交的に今、習近平と会わなければいけない時なのか、
台湾にとってそれほど習近平と会うことが大事なのか、理解し難いです。
ふつうに考えると、あと正味2ヶ月の総統任期ですから、
何か歴史に名を残したい、というような邪念が馬の中に目覚めた、
そういう解釈が可能かと思います。
なにしろ、この2年あまり馬政権に対する支持率は下がる一方で、
この夏の調査では、20%も割り込んだといわれています。
あと2ヶ月で破れかぶれになったか、といいたいですね。
そもそも、馬の率いる国民党ですが、
馬が総統なのに、国民党の主席は、朱立倫であるということが、
国民党の迷走の始まりなのかもしれません。
馬だと国民党の支持率が上がらないから、
ある意味、泣く泣く馬は主席の座から降りたわけです。
それでも、国民党の支持率は回復せず、
満身創痍のまま、国民党の次期総統候補は主席の朱立倫ではなく、
洪秀柱女史に決まったわけです。
恥ずかしい話ですが、なんだかんだ理由をつけて、
朱立倫は、早々、立候補を断念しました。
ところが国民党は、さらにみっともないことに、
洪秀柱女史ではまるで支持が広がらないことを理由に、
馬が洪秀柱に対して立候補辞退を強要し、
あげく、10月17日に立候補資格を廃止し、朱立倫に差し替えたのです。
そもそも、洪秀柱の人気がまるで上向かなかったのは、
その演説の中で対中関係をより緊密化し、
ひとつの中国を目指すべきだと発言したのがきっかけなのです。
今回の中台首脳会談実現という流れを見ても、
国民党は明らかに中国とのさらなる緊密化を目指しているわけで、
それは、習近平の中共の思うつぼ....といわれても仕方ないのではと思います。
今の台湾は中国に露骨にすり寄らなければいけないほど、
厳しい環境にあるのでしょうかね。
この馬と国民党の決断が、来年1月の台湾総統選にプラスに働くとは、私はとうてい思えません。
だいたい米国と中国の関係が微妙なこの時期に、
わざわざ習近平に会うというのは、まさに馬英九の朴槿恵化なのかも、w。
というわけで、習近平ですが、国内的には中国国民に対して自慢出来そうですね。
今、中台首脳会談を開けば、上から目線で馬英九をにらむことが出来ますから。
でも、この会談が、台湾の政権交代を促進することになるとしたら.....苦笑。
これから2ヶ月余り、台湾の中で壮絶な政争が没発するんでしょうね。
また、陳水扁の時のように発砲事件なんかが起きたりして.....汗。