広東の原発反対運動

広東省陸豊市碣石鎮上林村

長いこと共産中国の動向を見ていると、
チベットや新疆と並んで、広東を統治することが中共の課題のひとつであることがわかります。
たとえば、かつて、葉選平という男が広東を事実上支配していた時期がありました。
それも1990年代初頭のことです。
彼は革命の功労者・葉剣英元帥の長男でしかもバリバリの広東人です。
端から見ていても「えっ」と驚くぐらい、党中央を無視して、
広東で先進的な改革をしてきましたが、
党中央は綿密な根回しの上、葉選平を広東から引きずり出し、
全国政治協商会議の副主席に棚上げされてしまいました。
広東は孫文を生んだ土地柄でもあり、
どうも中央と対立した独立気運のある地域なのかもしれません。

というわけで、今回の舞台は広東省陸豊市です。
この地域は、ある意味、非常に独立心の旺盛な地域で、
そういえば、中共が14年の1月に戦争まがいのヘリや高速艇を使い、3000人という大動員をかけて、
覚醒剤の密売村をぶっつぶしたことがありました。
とにかく、中央に逆らうというのが定めみたいで、藁、
12年には党幹部の腐敗に業を煮やし、民衆が腐敗分子を強引に追放し、
選挙で自治組織を作ったという村もこの陸豊市の市域にあります。


原発用地の強制収用に住民抗議、警官隊2000人出動、19人逮捕―広東省陸豊市
配信日時:2015年9月14日(月) 18時10分

2015年9月13日、英BBC(中国語電子版)によると、中国広東省陸豊市碣石鎮上林村で12日早朝、警官隊約2000人が出動し、原子力発電所用地の強制収用に反発する住民ら19人を逮捕した。
同村の住民らは連日、原発用地の強制収用に抗議を繰り返してきた。
警官隊は12日午前3時ごろ、警察犬を連れて村に入り、通信を遮断した上で、住民の連行を始めたという。100人以上が逮捕されたとの情報もある。


じつは広東での原発反対運動は、この碣石鎮上林村だけではありません。
13年の7月、広東省江門市鶴山で計画されていた核燃料加工施設建設が、
住民の反対運動を受け中止されたりしています。
このプロジェクトでは、最終的に400億元の資金が投入される予定でしたが、
2000年代に入ってから、広東や福建では、
地方政府の横暴に立ち上がる民衆が急増しており、
あっという間に政府は腰砕けになってしまったわけです。
とにかく、民衆を強権で押さえつけているように見える中共ですが、
じつは異常なほどに民衆の顔色をうかがっているのもまた中共なのです。
今回の原発用地収用問題でも、公安を2000人も動員しているわけですから、
いかにビビっているかがわかるというものです。

かつて、中国の王朝が倒れるときは、
民衆の蜂起というのがキーになっていました。
たとえば、清王朝が瓦解した要因のひとつは、
太平天国の乱という民衆蜂起でした。
なにしろ、広東の片田舎の暴動が、あっという間に燃え広がり、
南京まで陥落させてしまったわけですから、
中共が民衆の暴動に神経質になるのも当然と言えば当然です。
まして、広東がらみとなると......。

いまだ、広東人は血の気が多い......
いつ爆発するやらと思っている北京っ子官僚は思っているでしょうね、苦笑。
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テーマ: 中国 - ジャンル: 海外情報

コメント

  • 2015/09/28 (Mon) 13:33

    >とにかく、民衆を強権で押さえつけているように見える中共ですが、
    >じつは異常なほどに民衆の顔色をうかがっているのもまた中共なのです。
    これはさすが長年中国ヲッチャな二代目です。
    まさにその通りで、政権にたてついたり、コトを荒立てない限りは、中共政府はもう100パーで老百姓の味方です。だから外資企業なんかが撤退するときは、法定以上の補償金を積ませられたりするわけです。

    そこには、デモや暴動が起きたら地元政府の汚点になるという減点政策も背景にあるんですがね。

    それと、これは今に始まった話じゃあありませんが、同じカテゴリに属する同類の老百姓が集まること、群れることを、中共はかなり恐れています。だから言論の自由はもとより、集会の自由もかなり実現はハードルが高いと思いますね。

    なので小生も色々中国で学んだ一つには、ヒトは群れると暴発するリスクが高くなること、ですかね。できる限り不満分子は引き離しておくこと(例えば勤務シフトを一緒にしない、とか)、互いに反目するよう仕向けること、は基本中の基本だと思います。

    • 切れ込み☆隊長 #-
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  • 2015/09/28 (Mon) 22:43

    基本的に為政者は民衆に群れられるのが怖いんでしょうね。
    隊長が言うように外資企業がデモられても、まず地元警察はウォッチでしょう。
    シチズンの時も富士康の時もまず地元政府がすすんで介入することはなかったですね。
    ところがちょっと政府がらみのネタになると、
    たとえば、土地収用問題、たとえば、汚染工場の操業問題なんかでは、
    すぐに公安が大量に導入されますし、ついには武警まで投入しようとしますから。
    たぶん、集会の自由は、朝の太極拳か、
    おばちゃん達の公園での大音量のダンスだけかもしれません、w。
    日本だって、かつて一向一揆や百姓一揆が頻発したお国柄ですから、
    基本的に権力を物ともしない輩が群れることは、
    為政者にとって得も言えぬ恐怖なんだと思います。
    まあ、日本の似非ウヨは群れる根性も無いですから度外視していいですが、
    ふつうの学生やおばちゃん達が立ち上がりつつある昨今、
    意外と内心ビビっているのかもしれませんね。
    それと、家庭教師や塾の先生なんかをしているエリート大学生なんかは、
    今の国会周りの状況を冷ややかどころか馬鹿にしているように語っていますけど、
    ある意味、冷めすぎちゃって遠巻きに見ているこれらの輩は、まるでチキンに見えちゃいます、苦笑。

    • トルファン #-
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