なんだか、花冷えのような陽気が続いています。
風さえ吹かなければ、桜の花も長持ちしそうな気もします。
おかげで、21日の開花宣言から10日弱、
やっとこ、上野の山も満開になったようです。
花の命は短くて...という言葉は桜のことを指していますが、
和菓子屋さんも、咲き始めてから2週間で散ってしまう桜を、
いろいろな意匠を凝らして表現しています。
画像のお菓子は、和菓子の世界では「きんとん」と呼ばれているものです。
お菓子のお題は、「都の春」と名付けています。
「きんとん」は、白餡に煮とかした寒天を混ぜて、
それに少々の水飴を加えて作った特別な餡を、
そぼろにして、箸で丁寧につぶし餡の周りにつけていったものです。
色遣い、そぼろの大きさなどで季節を表現します。
春到来というかんじがしますがいかがでしょう?
続いてのお菓子は、「さがの」というお題がついています。
これは、店頭では売らない茶席用のお菓子なのですが、
茶席では、そのものズバリの形や即物的なものより、
むしろ、抽象的な形、デザインが好まれます。
このお菓子も、意匠を凝らしているわけでは決してないのですが、
茶席という空間では、これくらいシンプルなもののほうが、
むしろ、しっくりきたりします。
白餡を紅で染めた道明寺で包み、氷餅をまぶしたものですが、
なんとなく、この淡いかんじが私は好きです。
春は、和菓子屋の季節といえるかも知れません。
お近くの和菓子屋さんで季節を感じてみてもらえればうれしいですね。
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