料理エッセイの名著「安閑園の食卓」




じつは、学生の頃からエッセイを読むのが大好きでした。
やはり、歴史家や歴史小説家の書くものが大半を占めていましたが、
年を経るにつれて、けっこういろいろなジャンルのエッセイを読むようにはなりました。

最近読んだエッセイの中では、
この辛永清さんの「安閑園の食卓」が白眉でしたねえ。
2002年になくなられている料理研究家なのですが、
NHKの「今日のお料理」にたびたび出演していたのを覚えている方も多いかと思います。
このエッセイの楽しさは、もちろん中華料理の奥深さを知る、ということにもあるのですが、
古い時代の台湾台南の名家の様子が生き生きとした筆遣いによって、
まさに眼前に広がるかのように映し出されているというところにあるように思います。
作者の少女時代のことがほとんどなのですが、
その卓越した記憶力が見事に表現され、
今、台南に行ったら、もしかするとこんな名家の大家族に出会うことが出来て、
ちゃっかりごちそうになったり出来るのではないかという、
そんな夢想をさせてくれるような、なんとも読後感の素敵な文章なんです。

ゆっくりといろいろなことを思い浮かべながら読んでもらいたい、
そんなエッセイなのであります。

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「アグルーカの行方」を読む


のめり込むようにして本を読むということは、

年に何回かあることはあるのですが、

地図や年表ををひっばり出して、何度も行きつ戻りつしながら、

読了する本となると、

なかなか出会えるものではありません。

もともと辺境物は大好きだったのですが、

この作品の辺境度といったら半端ではありません。

作者の苦闘を我がものと出来そうな方には、

是非とも読んでもらいだい一冊なのです。


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増補版「国策捜査」を読む

青木理

今年もいろいろな本を読んできました。
とにかく、50代に入ってから乱読と言えてしまうほど、
いろいろなジャンルの本を読んできました。
とくにルポ物とかノンフィクション物は、
休日の暇つぶしの図書館通いのせいもあって、
今まででは考えられないようなジャンルを選択してきました。
とくに今年は法廷物にはまりまして、
ノンフィクション、小説.....しかも東西を問わず読んできました。
中でも、一番衝撃的だったのが、
2013年に出たこの増補版国策捜査です。
もともと、小沢一郎議員や村木厚子前厚労事務次官の特捜ねつ造事件にとても関心があったのですが、
その後、鹿児島志布志の収賄事件の全容を書かれた本を読むに至って、
俄然、警察や検察、そして裁判所の荒廃を知り、
さらに公権力による悪意さえ感じていました。

そして、この「国策捜査」に行き当たりました。
99.9%起訴された事案は有罪となる.....、
しかも、あらかじめ用意されたストーリーどおりにねつ造された検事調書、
調書にほとんど疑義を感じずに鵜呑みにする裁判官達.....。
そして、警察や検察に物を言えない大手マスコミ。
もともに読むと、日本の公権力の闇、司法の闇の中に迷い込むことになります。
よく中国共産党一党独裁を非難する安直なネットウヨがあっちこっちにいますが、
よその国のことをとやかくいうより、まず自分の国の司法がどれくらい歪んでいるのか、
それを知ることから始めないといけないですね。
とりあえず、取り調べの可視化と、
代用監獄の廃止だけは早急に手をつけないと。

代用監獄問題については、
海渡弁護士の話がわかりやすいと思います。
http://news.livedoor.com/article/detail/1903200/


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鉄道とエッセイ




関川夏央という作家を最近好んで読んでいます。
宮脇さんのような鉄道作家ではなく、
関川氏のような作家が鉄道を語るというのも興味深いのですが、
昭和の文豪達と鉄道を合わせて語るその語り口は、
マニアとはちょっと違う鉄道びいきの匂いがして、
つい、ローカル列車の窓を開け放った一体感みたいなものを感じさせてくれます。
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「西南シルクロードは密林に消える」を読むのだ!




私、この作品の作者、高野秀行氏の著書をほぼ読み尽くしていますが、
なかでもこの本は、いろいろなことを調べつつ、じっくりと堪能させてもらいました。
中国から密出国して、ビルマ北辺の少数民族地帯をさ迷い、
なおかつインドに内緒で入国してしまうという、
なんとも破天荒な旅なのですが、
その強烈なる道行とともに、
出会った人々との奇妙な関わり合いがたまらなく濃密で、
ただのオッサンたる私を、
軽々とアジアの奥懐へ引きずり込んでくれます。
アジア数奇の人は元より、人情話が好きな人も是非、
一読して欲しい作品であると言い切りたいと思います。
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読書の日ということで 「原」

原「さらば長き眠り」

今日は、読書の日、なんだそうです。
とにかく、ルポ・ドキュメンタリー・エッセイ・歴史物等々、
乱読気味に本をあさっている私ですが、
最近一番読んでいるのが、探偵物とか警察物です。
前者ですと、横山秀夫や佐々木譲など、
後者でいうと、東直己なんかが上げられるのですが、
本日、読書の日ということで、
これら最近メジャーな皆さんの作品ではなく、
あえて、もう忘れ去れてしまっているといっても過言ではない、
原を取り上げてみたいと思います。
この方、じつは、探偵物で直木賞を受賞している、
数少ない小説家のひとりなんですが、
あまりに寡作すぎて、私なんかは、もうあくびも出ないくらい、
新作にお目にかかっていません。
とはいえ、私の個人的な思いなんですが、
日本ではあまり成立しえない典型的な米国型ハードボイルド小説家ないかと、
かねがね思い続けているわけです。
確かに大藪とか北方とかそういう先達がいるわけですが、
チャンドラーとかルメットなどの米国作家の匂いを、
原の作品群には感じてしまうわけです。
というわけで、
探偵物をこよなく愛している方には、
是非、読んでいただきたい作家なのです。
きっと、探せば、古本屋にあると思いますよ、苦笑。
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私は上海フリーク

20091009225320

何の気なしに本棚を携帯で写して見ました。
20年以上前の上海本が並んでいたのですが、ついそのマニアックぶりにほくそ笑んだとさ。
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副島隆彦氏の中国本

副島本1
2001年の11月にゴードン・チャンなる人物が、
「やがて中国の崩壊がはじまる」という本を上程しました。
この本の帯には、5年以内に崩壊するというセンセーショナルな文字が踊っていました。
さて、2007年に何が中国で起きたかというと、
チャン氏の書いたとおり、中国各地で民衆の暴動は起きていますし、
土地バブルも最高潮に達していました。
しかし、それでも、中国は、
やんややんや言われながら、なんとか北京五輪を乗り切ってしまい、
続いて上海万博へと邁進しています。
そして、この木曜日には60周年記念国慶節で盛り上がろうとしています。
いったい、ゴードン・チャンの予測した中国はどこへ行ってしまったのか?
確実に彼の予測通りに進行しているのに、
それなのに崩壊しない中国.....。
まったく、この国は奥が深い、藁。

そんな中、日本の評論界の鬼才、副島隆彦氏が中国本を刊行しました。
タイトルは、「あと5年で中国が世界を制覇する」です。w
以前にも副島氏は、一冊中国本を書いていまして、
今回が2度目というか続編の色彩が強いです。
また、翻訳本で、「次の超大国は中国だとロックフェラーが決めた」というのも刊行しています。
いよいよ、中国賞賛本が出たかという印象もなきにしもあらずですが、w、
それはある面、この数年、中国をどう見ればいいのかということに、
世界中が困惑している、ということなのかもしれません。
とくに、中国とリアルに接している日本や韓国は、
この復活したアジアの超大国にどう対処していいのか、
定点が見つからずにいるのかもしれません。
ただ、言えることは、
中共は、民衆の反応に対して、過剰ともいえる対応を取っています。
民衆に対して、どう対応していいのか、わからないでいる、
じつは、中共の今の姿なのかも知れません。
一党独裁だから素早く対応出来るという自信もある反面、
この巨大な国を動かすことの難しさも知り尽くしているということなのでしょう。
それでも、立ち止まれない、これが今の中国の姿だと思います。

というわけで、この副島本、読んでみたいと思います。

「あと5年で中国が世界を制覇する」
[要旨]
2010年末中国が米国債を叩き売る!大きく復活する中国、衰退するアメリカ…。来るべき「1ドル=2元=60円」時代に低迷を続ける日本が進むべき道を示す。
[目次]
第1章 脅威の復活を遂げた中国経済の原動力;
第2章 アメリカの衰退、日本の沈下;
第3章 アメリカから中国へ、世界覇権移譲のシナリオ;
第4章 中央アジアの時代が始まった;
第5章 5年後、そして10年後の世界秩序;
第6章 新・世界帝国の時代
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